短い書き散らし

揺らめく

身体が 言葉が 纏わりついてくる 離して 腕が、痛い 痛くて あ そうだった わかってる 結局、者でありつづける これすらも、この言葉すらも この力をかたどってしまう 風を描いて 波を掬って とどめようとすればするほど 形にならないものたちが 歪んでいっ…

悪を撃つ

悪を撃て その覚悟はあるだろうか 正義をかざして 悪を撃つ 全ての悪を浮き彫りにする その覚悟が なぜ 自分の中にも 常に悪がとぐろを巻いて いまかいまかと 光が当たるのを待っている 光の下でも決して暴かれないと 矛盾を容認するうちは あなたには何も撃…

解毒

体内の毒が抜けていく感覚がある いや、毒ではない 一度たりとも、毒ではなかった 数年間この身体を傷ませ しかし縋っていたのだから 決して毒ではなかった もはやこの身体の構成素であり 軽くなっていくような 別の人間へ成っていくような なんとも言い難い…

美化

思い出は綺麗になってく一方だ 形にならなかった苦しみは 3年も経てばただの情報になる 手元に残った綺麗なものだけが 今でもあの日の情動を ありありと再現させる 思い出に惑わされて後悔するだなんて 馬鹿みたい 何も正しくない もう戻れないのにね

眠り

眠ること 意識が離れていくのをただじっと待ち 意識的に無意識へ向かう行為 眠ることはあまり好きじゃない たったの5分だったり、5時間だったり 同じ速度の秒針を聴いているはずだけど ここに規則と秩序はない とにかく意識が離れるまで待つしかない それで…