眠ること
意識が離れていくのをただじっと待ち
意識的に無意識へ向かう行為
眠ることはあまり好きじゃない
たったの5分だったり、5時間だったり
同じ速度の秒針を聴いているはずだけど
ここに規則と秩序はない
とにかく意識が離れるまで待つしかない
それでも時には眠りを渇望する
意識下の自分のために
何からも傷つけられない無意識の籠へ入る
眠りは一種の時間薬だと思う
正しさを欲求するには
自分の意識はあまりにも脆すぎるから
時間薬を必要とする
強くはなれない
自分の中だけにある眠りは
こうも黒々とした影を落としている
それでもあなたには
どうか安らかに、健やかに眠っていてと
心からの愛を込めている
逃げてしまいたいような
優しいだけじゃない世界で
あなたがただ
その心が休まったばかりに眠りにつくなら
それでいい
おやすみなさい