解毒

体内の毒が抜けていく感覚がある

いや、毒ではない

一度たりとも、毒ではなかった

数年間この身体を傷ませ

しかし縋っていたのだから

決して毒ではなかった

 

もはやこの身体の構成素であり

軽くなっていくような

別の人間へ成っていくような

なんとも言い難い感覚がある

 

言葉を書き続けるために

この手を紙に押さえつけた

あの鉛が消えていく

これからどこまで浮かんでいくだろうか

 

もう不安だけでは

解毒は止められない