思い出は綺麗になってく一方だ
形にならなかった苦しみは
3年も経てばただの情報になる
手元に残った綺麗なものだけが
今でもあの日の情動を
ありありと再現させる
思い出に惑わされて後悔するだなんて
馬鹿みたい
何も正しくない
もう戻れないのにね
7/28に投稿された新曲『ほどけてく』について
この楽曲はフランスの小説家/哲学者 アルベール・カミュによる「不条理」の哲学思想を参考に書いた曲です。
※自分の中で再構築して書いたものなので、そのまま彼の思想という訳ではありません。
不条理な海
それは世界と僕を断絶するもの
それは世界と僕の唯一の繋がり
受け入れずに浮かんでいれば
それはそれで幸せなのかもしれない
揺らぐ足元には
世界を繋ぎ止めたいくつもの言葉が絡まっている
きっといつか分かり合えるまで
解けないように、と 縋っている
もし全てが紛い物ならば
この世界の本当の形を、君の本当の心を
見てみたいと思った
知れもしないと分かりながら
僕と世界との糸を解くために
水底へ深く沈みつづける
いつか
1つになろうね
眠ること
意識が離れていくのをただじっと待ち
意識的に無意識へ向かう行為
眠ることはあまり好きじゃない
たったの5分だったり、5時間だったり
同じ速度の秒針を聴いているはずだけど
ここに規則と秩序はない
とにかく意識が離れるまで待つしかない
それでも時には眠りを渇望する
意識下の自分のために
何からも傷つけられない無意識の籠へ入る
眠りは一種の時間薬だと思う
正しさを欲求するには
自分の意識はあまりにも脆すぎるから
時間薬を必要とする
強くはなれない
自分の中だけにある眠りは
こうも黒々とした影を落としている
それでもあなたには
どうか安らかに、健やかに眠っていてと
心からの愛を込めている
逃げてしまいたいような
優しいだけじゃない世界で
あなたがただ
その心が休まったばかりに眠りにつくなら
それでいい
おやすみなさい